メディアにむしばまれる子どもたち~小児科医からのメッセージ~

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12月7日にアビスタホールで国立病院機構仙台医療センター小児科医である田澤 雄作先生による家庭教育学級公開講演会「メディアにむしばまれる子どもたち~小児科医からのメッセージ~」が行われました。子どもを取り巻くメディア環境(テレビ・ゲーム・携帯電話など)とその影響、医師の観点と現場で感じできた危機感。長年にわたり、子どもとメディアの関係を研究されており2015年に「メディアにむしばまれる子どもたち」という本を刊行されました。

子どもが大人になるための基本的な土台は「言葉・笑顔・心」。これらは家族や友達、周囲とコミュニケーションをとる中で、楽しかったり、嬉しかったり、さまざまな感情・体験を通して得られるものですが、現在ではテレビやゲーム、スマホ、などのメディアを長く使い脳を休める時間がなく、疲労を蓄積(慢性疲労)している子どもが多くいるそうです。慢性疲労の子は、笑顔がなく表情が乏しい、食欲不振・眠れない・不登校といった通常生活に支障が出ることも少なくないといいます。本文に「ゲームやスマホを握りしめて、手放そうとしない子どもも、赤ちゃんの時からそうだったわけではありません。」とあります。大人が与えなければ、欲しがることもないのです。メディアに時間を吸い取られてしまうとスポーツ力、学力、コミュニケーション能力を鍛える現実体験の時間が失われ自信のない子供になってしまいます。環境がそうさせてしまうということなのです。ここ数年、スマホが普及してから育ってきた子供が成長してメディアと子供の関わりが新たな局面に来ているそうです。人間の心には「回復力(リジェリエンス)」が生まれつき備わっており、生活環境を変える・整えることで健全な状態に回復することが可能です。これは大人にも言えることではないでしょうか?

講演会で先生が繰り返しおっしゃっていたのは、子供の「自尊心」。愛されている自分、自分という存在価値という土台があって初めて生きていけるのだということ、その大きな土台を作るのは親であり周りの大人からの愛情。メディアがすべて悪いわけではありませんが、心を動かし育ててゆくのはのは「人対人」の温かい関わり合いしかないのだなと先生のお話を聞き改めて認識しました。

スマホは「注意力を奪う最強マシーン」。スマホに夢中な母に3歳のお子さんが「私もお母さんのスマホになりたい」と言ったそうです。家族がそろう日が多くなるこれからの季節には、お互いの顔をよく見て会話することを、楽しむ時間が多く作れるといいですね。

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